土日・祝日をはさむ日数と期限の考え方(民法第142条の期間の満了)
「14日以内」「30日以内」と言われたとき、途中に土日や祝日が入ると日数は増えるのでしょうか。また、数えた最終日が日曜日や祝日にあたったら、期限は翌日に延びるのでしょうか。この記事では、民法142条の条文を一文ずつ読み、国の行政機関への手続きや国税の期限との違いを、2026年から2027年のカレンダーの日付を使って確かめます。契約書に休日の扱いを書くときの考え方も紹介します。
作成: くらしの道具箱(個人運営) 最終確認日: 2026年11月6日 連絡先: kurashidogubako77@gmail.com
結論:途中の休日は日数に入り、問題になるのは末日
日で期間を定めたときは、初日を数えず(民法140条)、その末日の終了で期間が満了します(民法141条)。数える日の中に土曜日、日曜日、祝日が入っていても、それらを飛ばして数えるとは、民法のどこにも書かれていません。したがって、一般的には、期間の途中の休日も1日として数えます。たとえば、2026年11月9日(月)の翌日から14日間なら、途中に土日や11月23日(月・勤労感謝の日)をはさんでも、14日目は変わりません。
問題になるのは、数えた最終日(末日)が休日にあたる場合です。この場合の扱いを定めているのが、民法142条です。一方、国の行政機関への申請や国税の期限は、別の法律で扱いが決まっています。次の見出しから順に確認していきます。
民法142条を一文ずつ読む
民法142条の条文は、次のとおりです。
期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。
この条文は、次の4つの部分に分けて読めます。
- 「期間の末日が」:日・週・月・年で数えた期間の最終日についての規定です。
- 「日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他の休日」:日曜日と、祝日法の休日(祝日、振替休日、前後を祝日にはさまれた休日)が明記されています。土曜日や年末年始の日は条文には名前が出てこないため、「その他の休日」にあたるかどうかは、取引の慣習によって考えられるのが一般的です。
- 「その日に取引をしない慣習がある場合に限り」:休日なら自動的に翌日に延びるのではありません。その業界や取引で、その日に取引をしない慣習があるときに限って、延びます。
- 「期間は、その翌日に満了する」:延びる先は、休日の翌日です。
「3月31日までに支払う」のように日付で書かれた期限について、同じ扱いにするかどうかは、契約の読み方に左右されることがあります。迷いを避けるため、契約書には休日の取り扱いを書いておくのが安全です(後の見出しで説明します)。
制度ごとの違い(民法・行政機関・国税・ほか)
末日が休日にあたったときの取り扱いは、どの決まりを使うかで異なります。確認できた資料にもとづいて並べました。
| 決まり | 休日とされる日 | 末日が休日のとき | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 民法(契約など) | 日曜日、祝日法の休日、その他の休日 | その日に取引をしない慣習がある場合に限り、翌日に満了 | 民法142条 |
| 国の行政機関への申請・届出 | 土曜日、日曜日、祝日法の休日、12月29日〜1月3日 | 行政機関の休日の翌日を期限とみなす(法令に別段の定めがある場合を除く) | 行政機関の休日に関する法律1条・2条 |
| 国税の申告・納付 | 日曜日、祝日法の休日、その他一般の休日。政令で定める日として土曜日と12月29日〜31日 | その翌日を期限とみなす | 国税通則法10条2項、同法施行令2条2項 |
| 戸籍の届出 | 届出先の市区町村の休日 | その休日の翌日が期間の末日(自治体の案内による) | 戸籍法、鎌倉市の案内ほか |
| 協会けんぽの任意継続の申出 | 土日、祝日 | 20日目が土日・祝日の場合は翌営業日 | 全国健康保険協会の案内 |
| 契約書・社内規程 | 当事者が定めた休日 | 書かれていれば、その定めが優先 | 民法138条 |
国の行政機関と国税では、休日の範囲が少し違います。国の行政機関は12月29日から1月3日までが休日ですが、国税では12月29日、30日、31日が政令で定める日にあたり、1月1日は祝日です。1月2日と3日は、その年の曜日によって、土日にあたる場合とあたらない場合があります。個々の手続きの期限は、その手続きの案内で確認してください。
2026〜2027年の日付で確かめる
末日が休日にあたる4つの場合を、実際の日付で示します。起算日は初日を数えない原則どおり、契約や申込みの翌日です。いずれも「14日間」の期間を例にしています。
| 契約・申込みの日 | 末日(14日目) | 民法142条 | 国の行政機関・国税 |
|---|---|---|---|
| 2026年10月31日(土) | 2026年11月14日(土) | 慣習があれば、休日が明けた日に満了 | 日曜日の15日も休日のため、11月16日(月) |
| 2026年9月26日(土) | 2026年10月10日(土) | 慣習があれば、休日が明けた日に満了 | 11日(日)と12日(月・スポーツの日)も休日のため、10月13日(火) |
| 2026年11月9日(月) | 2026年11月23日(月・勤労感謝の日) | 慣習があれば、翌日の24日(火)に満了 | 11月24日(火) |
| 2026年12月15日(火) | 2026年12月29日(火) | 慣習があれば、休日が明けた日に満了 | 12月29日〜1月3日が休日のため、2027年1月4日(月)(国税も、この年は同じ1月4日) |
1行目の土曜日の例では、末日の翌日が日曜日で、その次が月曜日です。休日が続くときは、続いた休日の次の日を期限と考えるのが通常の取り扱いです。国税庁の案内でも、令和7年分の確定申告で3月15日(日)が期限日にあたり、3月16日(月)までとされています。連続する休日の扱いは、手続きごとの案内で確認してください。
休日をはさんで「営業日」を数える
「受付から5営業日以内」のように、営業日で数える場合は、数え方がもう少し複雑です。営業日は法律で全国共通の定義があるわけではなく、契約書や社内規程で決めるのが普通です。ここでは「受付日は数えず、翌営業日を1日目とし、土日と国民の祝日を休みとする」という前提で数えてみます。
| 受付日 | 営業日数 | 数えた結果 | 途中の休み |
|---|---|---|---|
| 2026年11月2日(月) | 5営業日 | 11月10日(火) | 11月3日(火・文化の日) |
| 2026年11月20日(金) | 5営業日 | 11月30日(月) | 土日と11月23日(月・勤労感謝の日) |
| 2026年12月25日(金) | 3営業日 | 2027年1月5日(火)。年末年始(12月29日〜1月3日)を休みとする場合 | 12月29日〜1月3日 |
| 2026年12月25日(金) | 3営業日 | 12月30日(水)。年末年始を休みとしない場合 | 土日のみ |
3行目と4行目は、同じ受付日でも、年末年始を休みと数えるかどうかで、結果が1週間近く変わることを示しています。取引先や契約書に、年末年始の扱いが書かれているかを確認してください。営業日の数え方の基本は営業日と日数の数え方でも説明しています。
連休の一覧(2026年11月〜2027年12月)
期限や納期を考えるときは、連休の位置を知っておくと便利です。内閣府が公表している令和8年(2026年)・令和9年(2027年)の国民の祝日にもとづいて、土日と祝日・休日が3日以上続く連休を、数えて表にしました。会社独自の休みは含みません。
| 連休 | 日数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 2026年11月21日(土)〜23日(月) | 3日間 | 土日+勤労感謝の日 |
| 2027年1月1日(金)〜3日(日) | 3日間 | 元日+土日 |
| 2027年1月9日(土)〜11日(月) | 3日間 | 土日+成人の日 |
| 2027年3月20日(土)〜22日(月) | 3日間 | 土曜日+春分の日(日曜日)+休日(月曜日。祝日が日曜日にあたるための振替) |
| 2027年5月1日(土)〜5日(水) | 5日間 | 土日+憲法記念日・みどりの日・こどもの日 |
| 2027年7月17日(土)〜19日(月) | 3日間 | 土日+海の日 |
| 2027年9月18日(土)〜20日(月) | 3日間 | 土日+敬老の日 |
| 2027年10月9日(土)〜11日(月) | 3日間 | 土日+スポーツの日 |
祝日が日曜日にあたるときは、その後で最も近い祝日でない日が休日になります(祝日法3条2項)。2027年は春分の日が3月21日(日)のため、3月22日(月)が休日です。前日と翌日が祝日にはさまれた日も休日になります(同条3項)。祝日の日付は法律の改正で変わることがあるため、最新の日付は内閣府のページで確認してください。
契約書に休日の扱いを書くには
民法の期間の規定は、契約で別に定めれば、その定めが優先されます(民法138条)。休日の扱いで後から争いにならないよう、契約書や規約に、次のような点を書いておく方法があります。以下は、考え方を示すための書き方の例です。実際の契約書の作成は、弁護士などの専門家にご相談ください。
| 決めたいこと | 書き方の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 期限が休日のとき | 「期限が日曜日、祝日その他当社の休業日にあたるときは、その翌営業日を期限とする」 | 民法142条の「慣習がある場合に限り」を待たずに、自動的に延ばす |
| 営業日の意味 | 「営業日とは、土曜日、日曜日、国民の祝日及び年末年始の休業日を除く日をいう」 | 年末年始や会社独自の休みを入れるか入れないかで結果が変わる |
| 初日の数え方 | 「契約日を1日目として数える」または「契約日の翌日から数える」 | 民法の原則(初日不算入)と違う数え方にするなら、明記する |
| 時刻 | 「期限の日の午後5時まで」 | 日数だけでなく、締切時刻も書いておく |
実際に期限を守るためのコツは、期限の日が休日にあたりそうなときは、あらかじめ前の営業日までに手続きを終えておくことです。延びるかどうかを調べて待つより、前倒しのほうが確実です。郵送の場合は到着日が基準になることがあるため、余裕をもって出してください。
よくある質問
- 期間の途中に土日や祝日が入ると、日数から除いて数えますか?
- 民法には、途中の休日を除いて数える決まりはありません。一般的には、途中の土日・祝日も1日として数えます。問題になるのは、数えた最終日が休日にあたる場合です。
- 最終日が土曜日のとき、翌週の月曜日まで延びますか?
- 決まりによって異なります。国の行政機関への手続きや国税の期限は、土曜日も休日とされており、月曜日(その間に祝日があればその翌日)が期限になります。民法142条は、条文に土曜日が書かれていないため、その日に取引をしない慣習があるかどうかで考えられます。契約書に書いておくのが安全です。
- 祝日が日曜日にあたったら、どうなりますか?
- 祝日法3条2項により、その後で最も近い祝日でない日が休日になります。たとえば、2027年3月21日(日)の春分の日は、3月22日(月)が休日です。
- 営業日は、何を除いて数えますか?
- 全国共通の定義はなく、契約書や社内規程で決めるのが一般的です。土日・祝日を除くことが多いものの、年末年始や会社独自の休みを入れるかどうかは書類によって異なります。
- 祝日の日付は、どこで確認できますか?
- 内閣府の「国民の祝日について」のページに、令和8年(2026年)と令和9年(2027年)の祝日が載っています。過去からの一覧も、同じページからダウンロードできます。
参考にした資料
- e-Gov法令検索「民法」(第138条〜第143条):https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- e-Gov法令検索「行政機関の休日に関する法律」(第1条、第2条):https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000091
- e-Gov法令検索「国税通則法」(第10条):https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066
- e-Gov法令検索「国税通則法施行令」(第2条):https://laws.e-gov.go.jp/law/337CO0000000135
- e-Gov法令検索「国民の祝日に関する法律」(第2条、第3条):https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000178
- 内閣府「国民の祝日について」(令和8年・令和9年の祝日):https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー 印刷した申告書等の提出方法・提出期限」(令和7年分の確定申告期間):https://www.keisan.nta.go.jp/r7yokuaru/cat1/cat16/cat162/cid591
- 鎌倉市「戸籍Q&A」(出生届の届出期間と休日の扱い):https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/shiminka/koq_a
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/voluntary_continuation/
上記は 2026年11月6日 に内容を確認しました。法令・制度は改正されることがあります。
この記事は法令の一般的な解説であり、個別の事案についての法律相談ではありません。契約書の条項、国税や行政手続きの期限は、個別の事情で結論が変わることがあります。重要なものは、弁護士、税理士などの専門家や、手続きの窓口にご確認ください。